ディスカウントストア「ドン・キホーテ」を運営するPPIが27日、UMPC「NANOTE」(ナノート)を発表(PDF)した。
7インチ液晶、そして液晶部分がくるりと回るYogaスタイル(ドンキはタブレットスタイル)といえば、OneNetbookの初代OneMix(本サイト記事)を思い出す。
スペースバーのところの光学ポインタといい、そっくりだ。そこでスペックを比べてみる。
ドンキ「NANOTE」とOneMixのスペック比較
ドンキ「NANOTE」 | OneMix | |
サイズ | 18.1 x 11.36 x 1.96 cm | 18.2 x 11.0 x 1.7 cm |
外部端子 | USB3.0, Type-C, MicroHDMI, MicroSD, イヤホン | USB3.0, Type-C, MicroHDMI, MicroUSB, MicroSD, 3.5mm jack |
CPU | Atom Z8350 | Atom Z8350 |
RAM | 4GB | 8GB |
ROM | 64GB, eMMC | 128GB, eMMC |
画面 | 7インチ、1920×1200 | 7インチ、1920×1200 |
画面の開度 | タブレットスタイル | Yogaスタイル |
バッテリー | 5000mAh | 6500mAh |
OS | Windows 10 Home | Windows 10 Home |
重さ | 520g | 515g |
その他 | Wifiはb/g/nのみ。全面0.3MPカメラ | キーボードバックライト、スタイラスペン付属 |
価格 | 19800円(税抜き) | 459.99ドル(プレセール) |
そっくりだと思ったが、筐体がわずかに違う。縦横は誤差の範囲と思えるが、厚さが有意に違う。筐体の大きさは、金型や組み立てに大きく影響するので、ここが違うということは、OneMixと同じ金型・組み立て工程ではないということか。
それ以外では、外部端子、液晶、CPU、OSといったところが共通。
ドンキUMPCでは、RAMやROM、バッテリー容量、Wifi周りに明らかな「劣化」が見られ、このあたりでコストカットしているようだ。
OneMixよりCPUがましな初代GPD Pocketユーザとしてみれば、この値段でもとてもドンキUMPCを買おうとは思えない。ウェブブラウジングやメール、簡単なテキスト編集ぐらいは何とかなっても、Wifiの貧弱さも相まってYouTubeでも処理落ちしそう。タブレットスタイルを生かして電子書籍端末にもなれそうだが、そうなるとROMの少なさが、microSDで増強できるとはいえ心もとない。
かといって、安さと手軽さで、新型コロナによる「巣ごもり」の子ども用勉強端末になるかといえば、まずキーレイアウトが初心者殺しの変態のため、お勧めしづらい。
結局、これまでのUMPCと同様、「変態端末」好きが安さを生かして2台目、3台目として買うというシーンしか思い浮かばない。あまりにも狭すぎるターゲットだ。独自性や「これは」というウリが、価格以外になく、とすれば、価格で買うという選択肢しかない。
たとえばバッテリーだけはもっと積んで、「いざとなればPCにもなるモバイルバッテリー」として売った方が需要はありそうだけど。どうでしょう、ドンキさん。