ミャンマーで戦後初となる外国銀行の支店が22日、開業した。その栄誉を得たのは、三菱東京UFJ銀行だった。
First foreign bank in decades opens in Myanmar(AFP、2015年4月22日)
外銀では他に、日本のSMBC、シンガポールのOCBCも許可は得ており、順次開業する見通し。MUFGは日本企業では珍しく戦闘を切った形だが、しかしかといって手放しで喜べるわけではない。
記事には、まず、
Local people remain deeply suspicious of the banking system and many deal only in cash.
ざっくり訳:ミャンマー人は銀行システムそのものに強い不信感を抱いており、(日常的には)現金でやりとりをする。
というミャンマーの現状が記されている。加えて、
Central bank vice-governor Set Aung told parliament last June that foreign banks would be subject to a range of restrictions to protect local lenders.
The foreign lenders would be required to hold at least $75 million, restricted to opening only one branch each and not be allowed into the retail banking sector, he said.
ざっくり訳:ミャンマー中央銀行の副総裁は昨年6月、国会で、国内銀行を保護するため、外国銀行には種々の制限が課されると語っている。(その制限とは)外銀は少なくとも7500万ドル(約90億円)を保持する必要があり、各行1支店のみ開業できるだけで、一般向け銀行業務には参入できないことになっている。
それなのに、
A further six foreign banks from the Asia-Pacific region, that were also granted preliminary approval in October, are expected to go through the process of finalising their licences within months.
ざっくり訳:アジア太平洋地域の外銀6行の開業も昨年10月に議会で認められており、数か月以内には免許を得る見通し。
だから、少ないパイを巡って競争がさらに激化することになる。そんなこともあってか、MUFGの発表(PDF)も、「外銀初!戦後初!」といった高揚感とは無縁の淡々としたもの。
まずはフロンティアでどうビジネスを回すのか、そのお手並みを拝見しよう。
まったく余談だが、この銀行、「三菱東京UFJ」という単に合併した銀行名を連ねるだけの長ったらしい名前をいつまで使うのだろうか。