GPD PocketとGemini PDA

LINEで送る
Pocket
LinkedIn にシェア

久々に物欲がわいた。

画面7インチのウルトラモバイルPC、「GPD Pocket」。Windows 10 HomeもしくはUbuntu 16.04 LTSを選べて、399ドル。しばらく眺めている間に、RAMが4GBから8GBへ倍増されたほか、プロセッサも若干アップグレードされた。

Win系PCを作っている大手メーカーは近年、タブレットとの2in1にご執心のようので、でこのサイズのPCを出すことはなかった。そのため潜在的な大きな需要があったと見えて、2月15日の出資開始以来、即日、目標額の20万ドルを達成。きょう現在、928%を集めている。

ただ、勉強のために情報をあさっているとちょっとおかしな見出しや記事も散見される。

MacBook Airキラー?…ポケットに入るWindows 10 PC「GPD Pocket」(インターネットコム)

MacBookに対抗心 7インチPC『GPD Pocket』に期待の視線(FUTURUS)

など。GPD PocketのIndiegogoページにMacbook Airとの比較表があるからといって、「キラー」とか「対抗心」というのはいかがと。

もっとひどいものでは、

人気沸騰中の超小型パソコン「GPD Pocket」、SIMフリー版も発売へ(Buzzup!)

などという記事も平気でまだ公開されていて、「第2世代のGPD PocketにはSIMスロットが搭載される方針」と書いている。その根拠として、「Indiegogoに掲載されたGPD Pocket開発者のコメント」をいうのだが、そのコメントを探してみると、出資者から「SIMスロットをつけてくれ」という要望が多いことに対し、たとえば、

Thanks for your support and kind recommendations.^^We should add a SIM slot in the second generation of GPD Pocket.

とか、Backerからの「Please consider this (=a SIM card slot) for a future version of this device.」との要望に対して、

Okay. We will.

と答えている程度。つまり、「検討する」と言ってはいるが、「搭載する方針」とまでは言っていない。だって、まだ第1弾すら製品化していないのだから、第2弾の仕様についてそこまで言えるはずもない。

などと、一通り勉強し、では実際に出資するか考えてみる。

Pros:

  1. 小型軽量だがメモリ十分、CPUも比較的まともそう
  2. Windows 10が気に入らなければLinuxマシンにしてしまえる
  3. (要望の多い)SIMスロットやSDカードスロットはいらない。Wi-Fiがacまで対応だし、Bluetoothあるし、最悪、アダプタを使えばよろしい

Cons:

  1. 私は根っからのMac派
  2. 7インチで323PPIは小画面・高精細すぎて、老眼気味にはつらそう
  3. タイプCのアクセサリを一切持っておらず、欲しければ別途調達する必要
  4. これは「購入」ではなく、「出資」。金が戻ってこない可能性がゼロではない

総合的に考えて、

僕が「GPD Pocket」に出資しなかった4つの理由

7インチUMPC「GPD Pocket 」がアツい!8GB RAMにx7-Z8750搭載

の2サイトの意見に頷く点が多かったため、Indiegogoでの出資は見送り。

特に、GPD社が前年2016年にIndiegogoで出資を募っていた「GPD WIN」(下図)

について詳述されていた

GPD WINができるまで – GPD WINはこうして完成した!

が参考になった。

そこで現状は、ひたすらIndiegogoを眺めているだけだが、今度は英国から、「Gemini PDA」が出資を募り始めた。こちらはAndroidとLinuxのデュアルブート、5.7インチ、SIMスロットあり、などとなっており、むしろスマホ側から機能拡張したようなアプローチだ。

しかも説明書きには、

To ensure Gemini has the lineage and continuity of the clamshell PDA designs, and to have the best mobile keyboard design on the market, we partnered up with Martin Riddiford and his London-based product design consultancy, Therefore, who were instrumental in the design of the Psion PDAs of the 1990s.

と、「Psion」(サイオンと読む)。私も実は、Netbook Pro(下図)を持っているのだが、Windows CE.netというOSにうまく対応できず、現在はお蔵入り。

そんな郷愁もあり、こちらもすでに目標額を達成したGemini PDAにも期待するが、発送が2017年11月と遅いこと、現状では日本のLTEバンドにそれほど合致しないこと、GPD Pocketより小型ということでキーボードが親指ポチポチになりそうなこと、から、こちらは出資どころか購入もおそらくしないと思われ。

ただ、こういった面白ガジェットがいずれも中国や英国であり、日本発でないのは、今の時代を表しているようで、若干寂しいものだ。

LINEで送る
Pocket
LinkedIn にシェア

3件のコメント

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です