ミャンマーの政府軍と少数民族武装勢力との戦闘は、局地的にではあるが継続している。その一方の当事者を側面支援しているという元米軍特殊部隊の男性に関する記事が掲載された。
American warrior extends clandestine aid to Myanmar’s ethnic minorities(Nathan A. Thompson、Christian Science Monitor、2015年4月4日)
記事によると、
And their trainers are the Free Burma Rangers, a covert humanitarian group that has organized aid missions in Myanmar for nearly two decades.
ざっくり訳:(少数民族を)訓練しているのは、フリー・バーマ・レンジャーズ(FBR)という秘密組織で、約20年にわたりミャンマーでの支援活動を行ってきた。
その訓練内容は、
The FBR offers survival and humanitarian training to guerrilla soldiers and civilians who have lost their homes and livelihoods in the fighting.
ざっくり訳:FBRは、政府軍との戦闘で家や生活のすべを失った(少数民族の)ゲリラ兵士や一般市民に対し、サバイバルや人道的な訓練を施している。
FBR training lasts two months and covers everything from trauma management and dentistry to orienteering and swimming, all skills essential to surviving in the rugged borderlands.
ざっくり訳:FBRの訓練は2か月にわたり、トラウマに対する処理の仕方や歯科術、方角の見極めや水泳など、険しい国境地帯で生き抜くために必須となるすべての術を網羅している。
政府軍と戦うよりは、政府軍と鉢合わせることをいかに避けるかを教えているとはいうが、しかし、「生き抜くための必須の術」といえば戦闘術ももちろん含まれてはいるだろう。
内戦というと、政府と少数民族という対立軸のみに目が行きがちだが、その外側で支える勢力があるということを明らかにした点で、この記事は読みごたえがある。なかなか現地に行こうとしない日本メディアにでも書けるはずの記事でもあった。