スマホでハイヤーを呼び、金のやりとりなくハイヤーを降りる。そんなイマドキ風が話題になって日本でもサービス開始しているUber。タイではそんなUberに対抗しようと、高速バス会社が500台ものプリウスを導入、「All Thai Taxi」と名付けたサービスを5月1日から始める。
Thai bus firm challenges Uber(Bangkok Post、2015年2月10日)
もちろん新車だから車内外はクリーン、安全装備もばっちり。速度制限装置もついていて、データを記録する装置もあり、車内にはバンコク名物の渋滞にあっても退屈しないよう映画などを流せる画面も設置されている。料金は通常料金に20バーツ(約60円)上乗せされるだけで、これまたバンコク名物の乗車拒否もなく、無愛想で物騒な運転手もいない。スマホで操作するのはUberと同じだが、Uberと違うのは、アプリか電話で24時間、車を呼べるうえ、空車の「All Thai Taxi」に街で行き会ったら通常のタクシー同様、呼び止めて乗れるという点。このような例があるだけに、バンコク住民にとっては夢のようなサービスになりうる。
黒船の襲来におびえ、鎖国同様の「業界」を守るのに汲々とするのではなく、あえて迎え撃とうとする企業があるタイ。さて、日本にはそういった企業があるのか。国の魅力を決めるのは、「おもてなし」などという歯茎にすきま風が通るような浮ついた言葉ではなく、チャレンジをする気概があるかどうか、その気概にあふれているかどうかなのではないのか。