スマートフォンでは「折りたためる画面」を持ったものも増えつつある。かつてのガラケーのように縦にたたむようなものならGalaxy Z FlipやMotorola razr 40、手帳のように閉じるものならGalaxy Z foldやPixel Foldなども街で時折、見かけるようになった。
ではそれをPCにまで拡大したら?
それを実現しようとしたのが、Lenovo ThinkPad X1 Fold。そしてHPからもSpectre Foldableとして登場していた。前者の2022年発売バージョンは、広げて16.3インチの画面にCore i7の12世代、8/256からで現在は値段が出ていないが確か数十万円していた。値段が出ているHPの方は、広げて17インチ、i7の12世代、16/1Tで約5000ドル(約75万円)。
いずれも「画面を折りたためる」というロマンはあるが、スペックが高めであることもあり、個人がおいそれと手を出すのははばかられる値段だった。
同じことを考える人はやはりいるようで、「ならスペックを妥協すればいいじゃないか」とばかり、Kickstarterに登場したのがDXUSCREEN。
そう、1枚のOLEDスクリーンを折り曲げようとするから高価になる。ちょうどMicrosoft Surface Duo/2のように、2枚のスクリーンを合わせればいい。そしてスペック的にも、プロセッサをN100にしてスクリーンも13.5インチに、しかしメモリは16GB。見た目は普通のノートPCだが、その手前のキーボード部分をスクリーンにした格好になるのがDXUSCREENだ。手前側スクリーンには、スマホに出るような形でバーチャルキーボードを出せるほか、もちろんBluetooth接続などで外付けキーボードを使うこともできる。
出資は699ドル(おそらく128GB、約10万2470円)からで、256GBが749ドル(約10万9782円)、最も大きなもので4TBがあり809ドル(約11万8578円)がある。数十万円オーダーだったLenovoやHPから見れば、かなり親近感のある出資額になる。
同じくKickstarter上では、モバイルモニター用途としてデュアルスクリーンのものがこれまでもいくつか出ていて、その出資額もやはり10万円前後。すると今回のDXUSCREENは、それとほぼ同価格帯にかかわらずCPUやRAM、ストレージといったコンピュータがついてくる形になるから、破格とも言える。
無論、懸念点もある。プロジェクトオーナーが、Kickstarter初登場でありこれまでの実績がない。つまり、本当に生産や出荷がなされるのか、何の保証もない(一応、100% Deliveredとうたってはいるが)。
そして中国発送なので、万一初期不良があった時や、保証期間内の修理を依頼した時は、面倒な作業が必要になる(これはAliexpressなどでの購入でも同様)。
仮に手に入れてもバリバリ使うかは不明ながら、ロマンはある。見せびらかしにもいいかもしれない。ついでに、両手分離キーボードNocFreeも2万円強で出資を募っているから、両方いっとくか。
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(以下、2024年1月9日追記)
こちらのPerksは現在、Kickstarterで「Suspended」となっており、出資できない状況だ。KS上で説明がないので理由は不明ながら、実は、メーカー名はSZBOX、型番は「DS135D」と、本Perksとは違うもののまったく同じとみられるものがすでに「商品」としてAliexpress上で販売されている。
中華的にはありがちな話に思える。無論、すでに市場に出た商品であれば、改めてKSで出資を募るわけにはいかない。そのあたりをKSが調査か審査しているのだろう。