若い人にとっては、平成の物事でさえレトロなのだという。そんな時代にぴったりなRewindpixがKickstarterに登場した。
見た目はそれこそザ・昭和のコンパクト・フィルム式カメラ。もちろん21世紀の製品なので今さらフィルムは使わないが、作者曰く、限りなくフィルム式カメラの”御作法”を踏襲したデジタル「フィルム」カメラとなっている。
1. 背面にはモニターがない
1インチと小さなステータス用モノクロLCD液晶はあるが、撮影した写真を映し出すモニターはない。そのため、撮った写真をその場で確認することができない。これは、現像するまでどんなふうに撮れているかわからなかったフィルム式カメラと同様。
2. フィルムモードでは36枚撮り
このカメラには2モードあり、そのうちフィルムモードでは、コンパニオンアプリで各種「フィルムロール」をカメラにロードして使う。そのフィルムロールが「36枚撮り」のため、36枚で撮り切りとなる。これも、24枚撮りや36枚撮りといった枚数制限があったフィルム式カメラの作法。
もちろん、別のロールをアップすればさらに36枚ずつ撮っていくこともできるし、もう一つのモード「イン・カメラ」では、通常のデジカメ同様、SDカードがいっぱいになるまで取り続けることができる。
3. 1枚撮ったらリワインド
製品名にもなっている通り、1枚撮影するごとにカメラ右側上部にあるダイヤルをキリキリ回す。これはフィルム一眼カメラというより「写ルンです」系の使い捨てカメラの作法だが、フィルムカメラオマージュであることは確かだ。
したがって、高速連写はできない。
4. ファインダーはあるがアバウト
もちろん美麗なビューファインダーもない。穴の中にアバウトな照準器があるような、昔の安いカメラであったあの方式だ。
5.レンズ交換不可
レンズは35㎜が固定。無論、画角を切り替えることも、ズームすることもできない。画角を変えたければ撮影者自身が距離を詰めるなり広げるなりしなければならない。
と、これほとまでに「ないないづくし」だけれど、これがまた、ちまたでいうところの「エモい」写真が撮れるのだそうだ。
NikonのFM2で修業し、その後F3で、望遠レンズ、広角レンズとレンズ沼にはまり、フィルムを薬品臭でいっぱいの暗室で現像し、なんなら追い焼きし、なんなら36枚の途中まで使ったものを暗室内でぶった切って再利用した経験のある身からすると、「なんで今さら?」と思わなくもない。
不便なものから便利なものへの「進化」こそ、世の常なのだと刷り込まれてきた身には、不便なものを追い求める気持ちが少し遠いところにあるのは事実だ。
ただここ最近の「平成レトロ」に代弁されるムーブメントは、きれいになりすぎ便利になりすぎて、機能過剰で使いきれないものを持つよりは、多少の不便をかこってもその製品の性能をフルに活用できるという効能感の方が重視される世になってきた、ということの反映なのかもしれない。
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