2月19日からの旧正月に合わせ、中国人観光客が日本に押し寄せ「爆買」したというのは日本のニュースにもなっていたし、それに対する中国政府のmouthpieceの歯ぎしりも2月26日に紹介した。一方で、自らが「中華」であるところの彼の国の観光客は様々な場所でハレーションを起こしている。
春節休暇の直前には、
Dos and don’ts guide for Chinese tourists in Chiang Mai(Thai PBS、2015年2月16日)
と、中国人に人気の観光地タイのチェンマイでの反応がニュースになっていた。記事は、チェンマイで中国人が交通ルールを守らないためにもめごとがよく起きていること、チェンライで美術館の展示物を壊されたため中国語で注意書きをあわてて掲示したこと、中国人ツアーのガイドには中国人を一人にしないよう求めるなどを紹介している。金を落としてくれるのはうれしいが混乱も困るという困惑ぶりが表れている。
春節後も騒動は続く。
Famous Thai Temple to Build Separate Toilets for Non-Chinese(DPA、2015年2月26日)
では、中国人のトイレマナーが極めて悪いため、有名な寺院が中国人用に別のトイレを用意するという。記事ではどんなにマナーがひどいか具体的に紹介されているが、ここで引用するのははばかられる内容。ただ、
The temple’s designer, Chalermchai Kositpipat, said in a television interview that it was “impossible” for other tourists to use the bathrooms after the Chinese tours, so he would build new ones.
ざっくり訳:寺院の設計者はテレビのインタビューで、「中国人ツアーが使った後、他の旅行者がトイレを使うことは不可能だから、新しく(中国人用の)トイレを作ることにした」と語った。
という部分を示しておけば自明だろう。
関連して気になる話題。
2014年のカンボジアへの訪問客数は450万人(カンボジア経済、2015年2月25日)
によると、カンボジアへの観光客は前年比7%増。国別では、
- ベトナム(905,801人、6.1%増)
- 中国(560,335人、21.0%増)
- ラオス(460,191人、11.0%増)
- 韓国(424,424人、2.4%減)
- タイ(279,457人、26.3%増)
- 日本(215,788人、4.3%増)
- アメリカ(191,366人、3.5%増)
- マレーシア(144,437人、10.5%増)
- フランス(141,052人、7.3%増)
- オーストラリア(134,167人、1.6%増)
となっている。ここでも全体の比率より少ない伸び率の日本の「内向き」加減がよく分かるとともに、目を引くのは中国の21%増。タイを訪れる中国人とカンボジアが訪れる中国人の層がまったく違うとは考えられないから、おそらく今後、親中国のカンボジアでも、「いい加減にしてくれ」という声が出てくるのは必定。
別々のニュースを掛け合わせて日頃から分析しておけば、何かが問題になる前にカンボジアにおける中国人旅行者というテーマで記事を書けるし、問題発生を先取りしたニュースを出せるはずなのだが、そんな余裕も今の「ジャーナリスト」たちにはないのだろう。残念至極。
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