中国人の祖先はミャンマーから

香港の英字紙が、表題のような学説を紹介している。

Motherland Myanmar: New research suggests Burma was birthplace of early Chinese people(South China Morning Post、2015年4月2日)

記事によると、6万年前にアフリカを出発した現生人類は、5万年前ごろには東南アジア、とくミャンマーに到達し、そこでしばらくとどまった後、2万5000年前ごろに川を使った「内陸ルート」で中国南部に入り、そこから各地に広がっていったのだという。

この引用元はこちら。原典ではもう少しスコープが広く、「Myanmar was likely one of the differentiation centers of the early modern humans. 」ともしている。

中国人とミャンマー人が近しいことが分かったからといって、こうなったわけではなかろうが。

China says Myanmar apologizes for bombing, admits responsibility(Reuters、2015年4月2日)

ミャンマーのコーカン地域に隣接する中国側で、爆撃により死者が出たことに関し、ミャンマー外相が責任を認め、中国側に謝罪したとの内容。ただし留意すべきは、この内容は中国側発表によるものという点。記事によると、

Wunna Maung Lwin accepted the results of the probe, which was that bombs from a Myanmar aircraft killed Chinese citizens, and extended his apologies and offered compensation, the ministry said in a statement.

ざっくり訳:ミャンマー外相は、(中・ミャンマー合同調査チームの)調査結果を受け入れ、ミャンマー機からの爆弾で中国人が死んだことを認め、謝罪の意を表し、補償を行うと、中国外務省声明は述べている。

とあるだけだ。逆に言えばこの声明が語っていないのは、「爆撃が事故なのか故意なのか」「謝罪が領空侵犯に対してなのか死者が出たことに対してなのか」、そして最も大きいのは「中国側の責任は問われなかったのか」という点だ。つまり今回は、こうした論争点には合意せず、もしくは合意したが隠したまま、大枠の「残念な事件が起きた」という点で両者が合致したに過ぎない。

これが外交というものだといえばそれまでだが、AIIBの設立を前に、中国としても早期に問題を収束させる必要があったのだろう。ジャイアン中国にそんな気遣いをさせるミャンマー、なかなかしたたかと言わざるをえない。

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