ミャンマーに初の証券取引所開設へ

1962年以降の社会主義、88年以降の軍事政権を経て、2011年に一応は「民政」となったミャンマー。天然資源が豊富で、勤勉な人口5000万を抱える国として、「アジア最後のフロンティア」とも称される。11年以降は、徐々にではあるが加速度的に、外資の参入も相次いでいる。そんなミャンマーで初の証券取引所が開設される。なんでも、世界で現在、証券取引所がないのは、ミャンマーのほか北朝鮮やブルネイなど9カ国しかないのだそうだ。

Myanmar set to open first stock exchange by October(The Economic Times)

記事中にもある通り、その設立を支援するのは、日本証券取引所と大和総研。ミャンマー側が51%、日本側が49%を持つ合弁会社が、ミャンマー証取を運営することになる。当初は5社未満の企業が上場される見通しだ。

ここまでだけ見れば、「日本、頑張っているじゃないか」となるのだけれど、実はこれまでに敗北を重ね、ようやく最後に一歩踏みとどまったというのが正しい。

同じく社会主義から転換し、急速に経済発展を遂げてきたベトナム(ホーチミン証券取引所)は、日米英韓タイ、シンガポールなどを視察後、韓国の支援を受けることにし、2000年7月に開所した(日本証券業協会、PDF)。またラオスは2011年1月、カンボジアは同年7月、同じく韓国の支援を受けて業務を開始した。ラオスは2社、カンボジアは1社しか上場していないとはいえ、韓国はほかにもモンゴル、ウズベキスタン、シカゴ商品取引所(チェンマイUpdate)の契約も獲得しているという。

仮に北朝鮮が証券取引所を作ることになったら、おそらくハングルをともに使うという容易さから、韓国が契約を取る可能性も少なくはないだろう。

つまり、さんざん韓国にやられ続け、最後に残った「フロンティア」で何とか日本が一矢を報いたというのが実際のところだろう。

証券取引所に限らない。ベトナムやカンボジア、ミャンマーの一般家庭では、かつては日本のドラマも人気があったが、すでに韓流に一掃されてしまった。この3か国の若者があこがれる外国は、存在感の薄い日本ではなく、きらびやかで、しかしなんとなく身近な韓国なのだ。「韓国は国家政策として番組を安く海外で売っているからだ」という指摘は一面の真実だが、しかしそれに対抗するために、政府が予算を組んで「海外広報に力を入れる」というのは、韓国の後追いをするだけのことであり、しかも追い越せる見込みも少ない。

それよりも、ドラマの体たらくを見ればよい。タレントのキャスティングばかりが話題になり、小市民的な、小劇場的な、ものすごくささいなテーマを大げさに大声で繰り返すだけの、小説やマンガという非日常を映像化するだけの、二番煎じどころか十番煎じでもしそうな、そんなチンケなドラマのいかに多いことか。

これを国家予算を使って安価に売り歩いたとしても、アジアの若者が果たして見てくれるだろうか。

「国力」の源泉が、政治、経済、文化であるとしたら、日本は3つともすでに衰退に入ったとあきらめるしかないのだろうか。

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