代理店業

GPD PocketのIndiegogoでのファンディングが4月15日に終わって2週間。今度はサイバーエージェントが主催する日本のクラウドファンディングサイト「Makuake」にGPD Pocketが登場した。ただし、GPDではなく「正規代理店」のエム・シー・エム・ジャパン株式会社が出品者だ。

先着200人には6万0480円(税込み)、ハブ付きなら6万2640円(税込み)という値段で、2017年10月の送付見通しという。小売価格は8万円(税抜き)の予定だからMakuake版はお得だ、という内容となっている。

ただ、Indiegogoで「399ドル、もしくはハブ付きで409ドル」「6月発送」だった条件から見るとかなり見劣りする。Indiegogoに乗り遅れた人向けかと思ったが、それなら中華サイトで6月以降、599ドルあたりで発売されるのだから、それで十分なはず。

Makuake版はサイトによると、

◆日本向けの「GPD Pocket」は、日本で動作させるための以下の認定を取得しています。

・技適マーク(電波法令で定めている技術基準に適合している証明) → Wi-Fi、Bluetoothなどの無線で必要です。

・PSEマーク(電気用品安全法で定められた表示) → 充電用ACアダプターに必要です。

◆日本語Windows10を搭載済みです。

◆エム・シー・エム・ジャパン株式会社が、GPD社の製造委託工場への製造ラインおよび出荷試験への監査を実施します。

◆エム・シー・エム・ジャパン株式会社により、日本語にてサポートを承ります。

といった、つまり「日本語バージョン」への対応、言い換えれば安心料が、差額と配送時期の違いとなっているようだ。

しかしFAQにも書いている通り、GPDで技適はとっているというし、Windows10の日本語対応はたとえばこちらで紹介されている。ネットやパソコンなど、すでに世界でコモディティ化した製品やサービスは、ネットで調べれば対応策はいくらでも見つかるのだから、こうした「日本語」対応はそれほど需要がなかろうと思っていたら、Makuake版はすでに140人以上が出資をしていて、目標額をあっけなく達成していた。

まあ、海外サービスや製品の「代理店」業とはそもそもこういったものなのだろう。たとえば、小さな子供に大人気の「メリッサ&ダグ 木製レール」。Amazon.comなら日本への配送料を入れても140ドル程度だが、楽天で買おうとすると3万7800円程度になる。

Google Playのアプリ評価欄でも、国外製アプリに対し、簡単な英語さえ拒否し「日本語化しろ」という意見をよく見かける。だから、製品と同じぐらいの料金を上乗せしてでも、「日本語化」したものが国内で売れるという需要は確かに一定程度あるのだろう。

そんなsupply & demandの関係を勉強できたクラウドファンディング案件だった。

 

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