タイ人の怒り

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日本の新聞にはインタビューもよく載るが、ほとんどは何らかの団体の長や学識者、著名人など、すでにオーソリティーが保障されている人物ばかり。無名ながらuniversal valuesのために戦う人を取り上げることはほとんどない。

たとえばタイにはこういう人がいる。

Thailand’s student activists speak out against political oppression(Asian Correspondent、2015年3月9日)

反対派には過酷な抑圧を続けるプラユット暫定首相に対し、大学生や高校生が公然と反対の意思を示している。特にFrankは、16歳で教育改革の団体を結成し現在18歳の高校3年生だ。

18歳ながら、たとえばネットにあふれるような言説にほとんど影響されず、冷静かつ明確な考え方を持っていることが記事を読めばわかる。タイの高校生がこんな18歳ばかりとは思わないが、しかし、翻って日本を見よ。

スマートフォンの画面に顔をうずめ、イヤホンで耳をふさぎ、親しい友人同士でしかコミュニケーションをとらず、自分の人生をかけるべき目標を見つけることも見つける意欲も見つける機会も奪われた18歳が多いようにはみえないか。

中には13歳の人気に嫉妬し、殴り、裸にし、あげくに首を切って殺してしまう、しかも弁護士を連れて警察署に行く、そんな人間もいる。そんな人間を育てた日本という土壌の歪みをあなたはみないか。

いや、そんなに汚れた穢土だからこそ、もしかしたら泥中から出でる蓮華のように、圧政のタイから出でるFrankのように、まっとうな人物が出てくるかもしれない。しかしその源泉は、怒りを正しい方向に向け、正しい目的のために使うことでしか生まれ出ないと思う。

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